バフェット小話01 取引コストの問題~ゴットロック家~
世界一の投資家ウォーレン・バフェット。
私も大好きで何冊も関連本を読みました。
バフェットは自分では本を出してないので、その周辺の人や作家がバフェットを研究して本を書いているのです。
しかし、バフェットか唯一自筆しているものがあります。
それが「会長からの手紙」です。
毎年の年次報告書の中で、会長のバフェットから株主へ投資を実践する上での指針となる企業評価分析の考えが綴られています。
手紙には一般の株主が分かるように示唆に富んだ小話がたくさんでてきます。
バフェットは例え話かとっても上手いのです。
本記事では、私が大好きな小話を簡潔にイラスト入りで記事にしました。
学校では学び得ない貴重な知識が学べるはずです。
ぜひ最後まで読んで行ってください。
なお、本記事は下のリンクにある書籍「バフェットからの手紙」の内容を元に作成しています。
今回は、株式売買に係る取引コストの問題を取り上げた小話です。【1988年掲載】
ー 目次 ー
すべての企業を保有するゴットロック家
すべての企業かある一族によって保有されていると想像してください。
この一族をゴットロック家と呼びましょう。
企業か生み出す利益はすべて一族にもたらされ、一族を構成する面々はみな同じように豊かになり、すべてがうまくいってます。
第一の助っ人
ここで、弁舌巧みな人が一族に忍び寄ります。
一族の中でだれかから株式を買い上げて、だれかに売ることで他の面々を出し抜くように仕向けます。
この助っ人は、喜んでこの取引の処理を請け負います。
手数料目当てなのです。
ゴットロック一族は、依然企業のすべてを保有しています。
この取引はだれが何を保有しているかの入替にすぎません。
しかし、この助っ人に支払う入替の手数料分だけ収入は減ります。
一族の中で取引が行われれば行われるほど利益全体に対する一族の取り分は少なくなり、助っ人の取り分が大きくなってくるのです。
仲介を務める助っ人たちはこの事実をよく理解しています。
彼らにとっては取引を行うことが重要なのであり、さまざまな方法でそれを促してきます。
第二の助っ人
しばらくすると、一族の大半の面々はこうした「骨肉の争い」がさほど上手くいっていないと感じます。
そこに、新たな助っ人が名乗りを上げます。
ゴットロックの一族の面々に、株式の売買は企業の良し悪しが分かる専門家である私に任せてくださいと言います。
そうして、一族は企業の売買を専門にする管理人を雇いました。
管理人は一層活発に取引を行って、仲介業者も潤いました。
今やこの二種類の助っ人たちがさらに大きな取り分を手にすることになります。
第三の助っ人
ゴットロック一族は、さらに大きく失望することになります。
一族の面々は今やそれぞれが専門の管理人を雇っています。
しかし財務状態は悪化に向かっていきました。
これを解決するにはどうしたらよいでしょう?
そこで、ファイナンシャルプランナーやコンサルタントと言われる人に新たに助けを求めました。
新たな助っ人は管理者や仲介業者の選び方について、助言を行うようになりました。
ゴットロック一族は今や高い金を支払って三種類の助っ人から支援を受けています。
彼らは結果がさらに悪くなることに気付き、深い失望の底に沈むことになるのです。
第四の助っ人
そこに第四の助っ人が現れるのです。
その助っ人はゴットロックの一族になぜ満足できない結果した得られないかの理由を説明します。
今までは助っ人への動機付けが不十分であり、助っ人は単に形式的に仕事をしているためだというのです。
他の一族を出し抜くためには、彼らに固定の報酬に加えて巨額のボーナスを支払うことこそ必要なのだと自身満々に言い切ります。
これはまさに今日の私たちの姿なのです。
安楽椅子にただ座ってさえいれば、すべてオーナーが手にすることができたはずの利益は、今や膨れ上がった助っ人の一団が手にしています。
以上、ゴットロック家の小話でした。
まとめ
企業の利益の一部が、中間業者によって手数料という形で損なわれている事を分かりやすい例で説明されてました。
この話は最初に書かれたのは1988年です。
今ではこの取引コストの問題を解決する素晴らしい投資商品があります。
なんだか分かりますか?
そう。インデックスファンドです。
インデックスファンドは手数料を最小化して企業全体を長期で所有する目的で作られた投資商品です。
バフェットも一般投資家へ推奨しています。
また、ニーズがあれば、別の小話も記事にしていきたいと思います。
このエピソードはこの本から抜粋しました。ありがとうございます。